「暗唱」でワーキングメモリーを鍛えよう!古典の暗唱をすると、どんな良いことがあるの?

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小学生の家庭学習幼児のおもちゃ・絵本

子どもに暗唱をさせたいけど、どうやったら良いの?

させたらどんな良いことがあるのかな?

 幼児教室でも積極的に取り組まれる暗唱。 興味がある教育パパ・ママは多いですよね。

hana
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当記事では、未就学児の子どもへの暗唱に取り組ませるコツと、取り組んだ子どもがその後どうなったか、メリット・デメリット、おすすめの教材を紹介します。

「読み書きそろばん(計算)」は、学習の基礎となるものです。

 昔、日本で現在の学校の役割を果たしていた寺子屋では、「大学」や「論語」など漢文の素読・暗唱をさせていました。これは実は、現代にも通じる科学的なメソッドに基づいており、文章を声に出して読む行為は、脳科学の視点から学力向上に非常に効果的なのだそうです。

音読・暗唱で得られる効果

1.脳の活性化により記憶力が向上

 音読を行うことで、脳の前頭前野が活性化されることが研究で明らかになっています。

 前頭前野とは、記憶や思考、判断などを司る部分。脳内の前頭前野が活性されることで、記憶力も向上するといわれています。

2.語彙力・読解力の向上

 音読をすると、語彙力や読解力も向上します。

 なぜなら、読み方や単語の意味、文脈や文章の切れ目を考えながら読むことが必要になるため、自然と、文章の構造や展開を考えるようになるからです。

3.ストレスが軽減され、表現力が育つ

 音読で脳の前頭前野が刺激されるとセロトニンが分泌されます。

 セロトニンは、興奮や攻撃を助長するアドレナリンを抑え、気持ちを落ち着かせる作用のあるもので、心身をリラックス状態にしてくれます。

 また、覚え込むまで何度も読んだ文章は大脳辺縁系を活性化し、心を養ったり、感情表出のメカニズムを鍛えたりするのに効果的です。

4.活舌が良くなる

 音読により活性化される脳の前頭前野は、コミュニケーション能力も司っています。

 音読をすることで、発声に慣れて口や舌のトレーニングができ、滑舌が良くなります。

わが家が暗唱を始めたきっかけ

 筆者の現在小学生の息子に、古典の暗唱をさせ始めたのは5歳からです。

 お風呂で「30まで数えてあがりなさーい」と、数唱から始め、100まで数えられるようになった後やることがなくなり、「ママの言うこと繰り返してごらん、にいちがにー」と九九を唱えるようになりました。

 4歳の終わりまでに九九を覚えてしまってからは、またやる事がなくなり、その時の一瞬の思いつきでまた、「ママの言うこと繰り返してごらん、ぎおんしょうじゃのかねのこえー」と平家物語の序文を唱え始めたのがきっかけです。

 「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」と高校時代に覚えた方は多いと思いますが、漢文調の独特のリズムは声に出して読むと心地良いものです。

 息子が面白がったことをきっかけに、その日から我が家は、暗唱に取り組むこととなりました。

子どもに暗唱させるコツ

 コツ①親が一行読み、子供が後に続くという素読形式

 親が主体であることがポイントです。

 「好きこそ物の上手なれ」とはよく言ったもので、いかに子どもに興味を持って楽しく前向きに取り組ませるかは親の腕の見せどころ。私は、いつも四苦八苦、試行錯誤しています…

 嫌がるようになってはどうしようもないので、子どもに無理をさせないことは大事です。

 子どもは気分屋。テレビやおもちゃに囲まれているときには絶対にやらないとわかっていたので、うちはお風呂か車での移動中など拘束された状態のときに、まずは1日1回親と一緒に唱えることから始めました。

 新しい文章を始めるときも毎回同様です。

 そのうちに、スラスラとつっかえずに親についてこられるようになってきたら、wordで作ったプリントを渡して読むように促し、

こんなプリントを毎回リビングの壁など見やすいところに貼って、いつでも目に入る状態にしておきました。

何も見ずに、1人で暗唱できるようになったらクリアです。

私と息子が暗唱し始めると、当時1歳の娘もわーわーと何やら真似しているかのような声で大合唱でした。(笑)

小学校入学までの1年ちょっとの間に息子が覚えた文章の一覧です。

  • 平家物語 序文
  • 春望 杜甫
  • 静夜思 李白
  • 雨ニモ負ケズ 宮沢賢治
  • 偶成 朱熹
  • 春暁 孟浩然
  • 竹取物語
  • わたしとことりとすずと 金子みすゞ
  • 走れメロス 太宰治
  • 絶句 杜甫
  • 江南の春 
  • 奥の細道 松尾芭蕉
  • 春の七草
  • 初恋 島崎藤村
  • 江戸いろは
  • 矛盾
  • 論語 孔子
  • 山月記 中島敦
  • 枕草子 清少納言
  • 徒然草 吉田兼好
  • 誕生石
  • いろはうた
  • 白眉
  • 方丈記 鴨長明
  • 蜘蛛の糸 芥川龍之介

 

hana
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私はずるいので、新しいことを覚えるよりも、昔覚えたことがあるものを思い出す作業の方がよっぽど楽だったので、出す課題は全て私自身が過去覚えたことがあるものばかりをセレクトしていました(笑)

 筆者と息子の様子を見て育った娘も「わたしもするー!」と言うので少しずつ始めました。

  • 春の七草
  • 春望 杜甫
  • 絶句 杜甫

 3歳の時点で言えるようになったのは、まだこの3つですが、何歳だからできない、なんて事はないんだなぁ。子どもの能力を決めつけるのは得てして大人の方だな、と感じます。

 興味を持ったタイミングを見逃さないのが大事ですね。

コツ②読書百遍、義自ずから現る (同じ本を百回も読めば、意味は自然とわかってくるものだ)

 中高大とそれなりにやってきた大人と比べて、子どもは(子どもが幼ければ幼いほど)古典に対して驚くほど抵抗が少ないです。

 古典の「ことば」は日本の文化の基盤であり、思考の材料でもあります。名文と言われる文章からは美しい表現や豊富な語彙が自然に習得できます。

 子どもから「これってどういう意味?」と聞いて来ない限り、意味は教えなくても大丈夫です。年齢を重ねるにつれ、意味も自然と理解していきます。ただ、左脳優位のお子さんの場合は、意味を教えた方が覚えやすくなる場合もあるようです。

コツ③焦らせない・怒らない

 間違えたら恥ずかしい、という思いでなかなか言えないときは、大体インプットが足りていない時です。

 子どもが途中でつまずいたり間違えた時に「違うよ」と指摘したり訂正したりするのは逆効果。まずは、がんばって口に出したことを認めてほめてあげましょう。

 その後、親と一緒に、子どもが自分から口に出し始めるまで、素読を繰り返します。

暗唱したことで得られたもの メリット

記憶力が良いと褒められることが増えた

 最初はなかなか憶えられなかった長い文章も、続けていくうちにだんだん、おぼえられるようになるまでの時間が短くなってきます。

「記憶力」も、計算力などと同じようにトレーニングで鍛えることができるということです。

 それこそ、子どもはスポンジのように何でも吸収しますが、九九を言葉にしながら「にいちがに、ににんがし…」と覚えたり、漢字の読み、順序だてて説明したり、日記や作文を書く、といった学習は「言語性ワーキングメモリ」が関係してきます。

 ワーキングメモリを鍛えるには、脳の認知機能を高めることが必要になってきますが、音読や暗唱はそのトレーニングの一つとなると言えます。

教養がつく

 古典への造詣があってこそ、思考力・情緒・教養といった、生きていく上での基礎力が身につくと考えます。薄っぺらい自己啓発系の本を買ったりセミナーに行くより、孔子や孟子を読む方が良いんじゃないかと思うのです。枕草子の「をかし」、源氏物語の「あはれ」の世界観は現代の感覚にも通じるものがあります。

暗唱を続けたことでのデメリット

  これは、表裏一体になってしまうのですが、小学校入学後、毎日国語の教科書の音読が宿題で出ます。何度か授業で読むうちに全文覚えてしまうので、この音読の宿題を暗唱してしまうのです。

 彼の言い分としては、「なぜ覚えているのに、わざわざランドセルから教科書を出し、本を開き、覚えている文章を何度も読まねばならないのだ」ということになります。

 小学一年生がこねる屁理屈としてはもっともらしいのですが、「教科書を!出せ!!」と、私とは毎回バトルになりますし、学校の先生的にもNGかもしれません…

hana
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良かったんだか、悪かったんだか…

おすすめ教材

 私のように、ご家庭でwordに打ち込んで自分でプリントを作るとタダですが、文章を選ぶのも面倒くさいし、パソコンを立ち上げて印刷するのも面倒くさい…なんて方は多いですよね。

世の中にたくさん暗唱の教材はありますので、お好きなものをセレクトして挑戦してみてください。

にほんごであそぼ 

 Eテレの「にほんごであそぼ」は、言葉を覚え始めるお子さんから大人まで、あらゆる世代の方を対象に作られている番組です。

にほんごであそぼ – NHK

寿限無

楽天ブックス
¥1,485 (2023/05/16 13:23時点 | 楽天市場調べ)

 寿限無が言えて何か役に立つかと言われれば、ちょっとわからないのですが(笑)、初めて暗唱したのは寿限無、というお子さんは多いかもしれません。

 こちらの絵本は、あのながーーーい名前を端折らず、また、絵は「ノラネコぐんだん」の工藤ノリコさんが担当されており、とっても面白く仕上がっています。

七田式

 幼児教室で有名な七田式です。教室に入会しなくても、暗唱の教材を購入することが可能です。親が一緒に読んであげられない、という場合でも、学習CDは聞き流すだけで簡単に取り入れることができるアイテムです。こういった便利なものは、上手に活用したいですね。

かるた・百人一首

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 かるたで遊びながら自然に覚えてしまうのも良いですね。

ことわざを覚える記事はこちら

音読プリント

 詩、俳句をはじめ、古文や漢文、近代文学まで幅広い分野から名文が厳選されていて、声に出した時に楽しめるリズム感のある文章がプロの目で選ばれています。

リズムの良い文章を声に出すのは楽しいです。おうちでたのしく暗唱に取り組んでみてはいかがでしょうか♬

 

 

 

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この記事を書いた人

地方在住。
兄(小2)と妹(年少)の二人の子を育てる共働きママです。塾なし・地方・家庭学習のみでもトップクラスの学力を身につけさせたい!
我が家の子育てや暮らしの情報を発信します。
私の経験が、誰かの「参考になった!」となれば嬉しいです。

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